地球内核生態系
インジアース
私たちはついに地球の内部へとたどり着いた。
初めて地球の深部へと足を踏み入れることになったのは、高性能なカメラであった。地球内核の中に体を潜り込ませ、その不可思議な世界をわずかに写したところで何者かによって壊されてしまったカメラに哀悼の意を表したい。しかし彼女がほんのわずかの間に写した光景はあっという間に世界へ広まった。
地球の内核は個体ではなかったのだ。今まで鉄の塊であると認識されていたそこはには私たちが知る地球表層の世界に似ていながら、しかし全く異なる世界が広がっている。
白く光り続ける雲、見たこともない動植物、奇怪な生き物たちが私たちの足元をうごめいていると知った時の恐怖と感動は誰にも覚えがあるだろう。
それから数十年後、私たちはついに地球の内核へと足を踏み入れることに成功した。
地球深部探検隊の事務方としての私の役割は。科学者たちが書いた様々なスケッチなどを整理整頓して地上へと輸送することである。時には3Dモデルに、あるいはイラストを書き直して、科学者たちに詳細なことを訪ね文を添えて地上へと送り出している。私たちの部署は別名科学者翻訳隊である。通常の翻訳よりもはるかに難しいのは、科学者たちの思考回路が南海極まるために、文章が文章として成立せず、日本語が未知の言語に見えることだ。
そんな愚痴はともかくも、私たちはこれから地球深部の情報を伝えていこうと思う。もちろんこの文章は、国家共同の研究チームがある程度確定した情報として新聞やテレビ、ネットに流していいものを厳選したものになるはずだ。このメッセージもそうだろう?当然、100の推測と妄想だけでできた内容を容易に表に出して、世間の混沌を招くわけにはいかないのでそこは了承いただきたい。
まさか、上司から書けと言われたこの下書きみたいな文章が表に出ることはないよね?ちょっと部長?大丈夫ですよね?
記録者:弓削 陽(ゆげ はる)
記録者:日本 地震学者 高橋靖子
記録生理:弓削 陽
地球深部、つまり内角の内側は今まで個体であると考えられていた。しかし実際は空洞が広がり独自の生態系が形成されている。
この生命の祖先がどこからやってきたのかは全く未知の状態であるが、姿形は似ており、地表の生態系と何らかの関係があることが考えられる。
地球内核生態系は現在インジアースと呼ばれている。(画像のタイピングを間違えたことを許してほしい)また名称については現在検討中で仮のものだ。
インジアースではまず一番外側をいわゆる海のような流体が覆っている。重力等については一切不明だが、この海は非常に粘性が高く、かつ高い熱を持っているようだった。最初に内核にたどり着いたカメラが早い段階で壊れてしまったのはこの海の粘性と外殻との熱の差が極端すぎたことにあったようだ。
さて、この海はどうやら外殻からの熱を内側に適温として伝える役割があるらしい。インジアースの周囲にはもちろん外核があり、そのさらに周囲にはマントルがあって、私たちが住む地球表面となっている。マントルと外殻が高温であることは周知の通りで、この外核の熱に対する断熱材の役割をしているのがインジアースの海だ。海はおよそ20℃から70℃程度の温度で熱にはムラがある。
海を抜けると次には雲の膜がある。この雲の膜は実際には微生物の集合体であり、彼らは外核と海の熱を吸収し、そこからエネルギーを生成しているようだ。一部は光エネルギーとなってインジアースを照らし出している。
海は時折崩壊、あるいは生物の影響によって内側に落ちていく。その際この雲を形成する微生物を巻き込んで落ちていくので、これがインジアース中心の生態系の栄養になっているらしい。
インジアースでは一部だけ重力が反転した部分があり、ここは現在大瀑布と呼ばれている。地球の中心からインジアース外側に向かって流れるまさに瀑布であり、海から中心へ落ちた水をもう一度海へ戻すという循環が行われているようだ。
これらの情報はインジアースの雲の下でドローンを飛ばして、そのカメラで撮影した映像から推測したものである。

あとがきなど
一度始めるといろいろ湧き上がってきますね。