マグマとタンポポ
タンポポの根はおよそ地下1メートルまでも伸びており、この根を完全に切り落とすことは難しい。手で抜くにしても機械で抜くにしても一度芽生えてしまえばこれを完全に取り除く難易度は非常に高い。
しかし我々が知る限り、この植物ほど深い根を持ちそして生物学者にとっても地質学者にとっても興味深い植物はないだろうと感じる。
彼らは地殻を通り抜け、マグマにまで達するそうだ。そしてマグマを少しずつ吸い上げ、花を咲かせるという。本当にマグマまで達するものは少ないというが、かなり地下深いところまで根を張るために、地質を調べるときに非常に役立つという。というのも根が達している場所の成分によって花弁の色合いや成分が異なるため、根が伸びる速度や花を咲かせた時期が記録されていれば、地下の状況を目視確認できるという次第である。
とはいえこの方法にもいろいろと問題があるのは事実だ。特に地殻の移動には影響が大きく、ところどころで根が切れてしまうらしい。さらに成長の度合いは土壌の硬さにも強い影響を受けているため、そういった事前情報がなければ、花を見て奇妙な結論に達してしまうことも多い。
結局のところ、一目見ただけですべてがわかるような便利な道具はないということになるのだろうか。興味深い植物であるため私も少し育成してみたいのだが、コンクリートも簡単に突き破るためこの植物は自宅の栽培には向いていない。畳む
2024.1.14 執筆
#一種異様生物