第一種異様生物対策課 広報班の第一報
奇々怪々なる生命たちの活動に、僕はとても強く関心を惹きつけられている。
僕の所属している課は公的機関の中ではあまり目立たないところだ。「第一種異様生物対策課」という、なんのひねりもない名称の課は、とにかく奇妙な生き物たちを扱っている。通常の、例えば外来種なんかと違うのは、この生物たちは僕たちが知る既存の生命とは全く違う特殊な生態をしていることだった。
簡単に説明するならば重力に逆らうような動きをしたり、非常に特殊な素材を巣にしていたり、少なくとも既知の生物たちとは全く違う彼らの活動は一切予想ができない。研究者たちは困りに困って、彼らを一種異様生物と呼んでいたわけだけれども、名称に困った政府はそれをそのまま採用してしまった。一種異様とは『どことなく普通とはちょっと違ったさま。 一風変わった様子。(コトバンク)』を指す言葉らしい。こういった生物たちにぴったりの名前かもしれなかった。
彼らは大抵害はない存在だ。けれども彼らの中にも非常に危険な生物たちはいる。人間の生命を直接脅かすような困った生き物たちも確かに存在するのだけれど……その一方でさほど困りもしない不思議な生き物たちも確かに存在するのだ。
これは第一種異様生物対策課の中でも、新たに設けられた広報班の、僕たち自身の活動を世界に広めようという新しい試みの一つだ。ちょっとだけWEBデザインの技術をかじったことのある僕が、どうにもならない技術でなんとかWEBページを運営していくのだけれど、でもなぁ……広報班は僕ともう一人の先輩だけなんだよな……と思うと少し気が重い次第である。
そんな第一報。
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#一種異様生物